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2023年度事業報告(要約)

2024.06.25

概 要

新型コロナウイルス感染症が5類に引き下げられ、3年間続いた行動制限が解除された2023年度、受診を控えてきた県民の皆様が安心して 受診できる体制作りを念頭に置いてがん検診事業を行いましたが、感染状況は大きく改善せず、周期的な感染流行の波や酷暑などの異常気象も影響し、ほとんどの検診で目標数に達することはできませんでした。その他、がん予防対策の調査研究、がんに関する正しい知識や検診の重要性に対する普及啓発活動、がんの相談支援事業、仙台市胃内視鏡検診各種研修会等の開催による医師及び医療従事者の養成、「黒川利雄がん研究基金」による若手医師への研究助成等、精度管理を重視した各種がん検診の実施等 に取り組みました。
念願であった新がん検診センター(増築棟部分が完成し、披露式を執り行うことができました。建設にあたっては募金委員の皆様のご助力、県内外からのご寄付や日本財団様からの医療機器への助成など多くのご協力を賜りました。当協会のがん征圧活動への期待の大きさを改めて認識し、県内のみならず日本のがん検診の新たな方向性を示すモデルとなれるよう職員一同今後の事業活動に 一層励んでまいる所存です。引き続きのご支援、ご指導のほどよろしくお願い申し上げます。

1 調査研究事業 公1-1)

1)当協会における研究課題を設定し、各種学会及び研究会等において研究成果を発表しました。

第120回日本内科学会講演会、第62回日本消化器がん検診学会総会、第61回日本消化器がん検診学会東北地方会、JDDW2023、その他学会・研修会等97回参加

2)研究事業への参加

  • 「がん検診の精度管理における指標の確立に関する研究」
  • 「職域における科学的根拠に基づくがん検診の社会実装に関する研究」
  • 「子宮頸がん検診におけるHPV検査導入に向けた実際の運用と課題の検討のための研究」
  • 「職域におけるレセプトを用いたがん検診精度管理指標の計測システムの開発と実装に関する研究」
  • 「個別リスクに基づく適切な胃がん検診提供体制構築に関する研究」
  • 「超音波検査による乳がん検診の有効性を検証する比較試験」

2 普及啓発事業 公1-3)

啓発グッズを作成し、仙台市地下鉄泉中央駅前で配布しながらがん検診受診を呼びかけました。また、リレー・フォー・ライフみやぎなどコロナ禍で開催を中止または限定していた啓発イベントも再開され、当協会も街頭活動の一環として参加し、啓発活動を行いました。

  1. 健康教育などによる普及啓発活動
    健康相談、健康教育の実施、健康まつり等への教材の貸し出しの他、県内の事業所や大学等へ出向き、がんに対する理解を深めるがん教育出前授業を実施。
  2. がん征圧月間行事
    がん予防パネル展・がん予防懸垂幕の掲示
  3. 2024年度がん検診事業説明会並びにがん予防研修会
  4. 報道機関による普及活動
  5. 機関紙並びに印刷物等の配布

3 がん総合相談・健康相談 公1-4)-(1)

  1. 医師によるがん総合相談を開設しました。
  2. 保健師等による健康相談は、延べ102件の相談に応じました。

4 地域統括相談支援センター事業 公1-4)-(2)

2023年度は、支援センターのホームページによる事業の案内や市町村広報紙への「相談窓口」の掲載依頼により、308件の相談に応じました。また、ピアサポーター養成に力を注ぎました。

5 医療従事者の研修 公1-5)

  1. 仙台市胃がん内視鏡検診各種研修会を開催
  2. 東北大学医学部保健学科検査技術科学専攻学生の学外実習を受託
  3. 東北文化学園大学医療福祉学部看護科学外実習を受託

6 黒川利雄がん研究基金 公1-6)

応募者総数9名の中から5名の研究者の方々に総額2,200千円の研究助成金を贈呈いたしました。

7 各種がん検診対策委員会・診断委員会の活動 公1-2)

各種がん検診の対策委員会および診断委員会を、延べ16回開催しました。

8 がん検診事業 公1-2)

各種がん検診は、依然として続くコロナ禍や異常気象の影響もあり、ほとんどの検診で目標数に到達することが出来ませんでした。今後は実施主体と協力し、積極的な受診勧奨を行い、受診者数の回復に努めてまいります。

各種がん検診実績 ※子宮、乳、大腸の各項目は、がん・生活習慣病オプション分も含んだ数字を計上しております。

胃X線 124,822人
目標 134,000人
増減 △9,178人
胃内視鏡(センター実施分) 1,328人
目標 1,450人
増減 △122人
胃内視鏡(二次読影分) 14,366人
目標 15,550人
増減 △1,184人
子宮 119,842人
目標 126,480人
増減 △6,638人
50,526人
目標 51,670人
増減 △1,144人
大腸 70,728人
目標 72,120人
増減 △1,392人
前立腺 5,436人
目標 4,550人
増減 886人
がん・生活習慣病 5,624人
目標 5,950人
増減 △326人

9 事後管理 公1-2)

検診事業の事後管理の充実に向けての、積極的な取り組みを行いました。

  1. 事後管理及び指導
  2. 精密検査検討会
  3. 婦人科検診の精度管理
  4. 胃がん内視鏡検診の精度管理

10 がん研究事業に関する寄付

東北大学医学部等の各講座に対し、集団検診の体系化に関する研究に寄付を行い、予防医療体系に占めるがん検診の位置付けの確立に努めました。
研究寄付額 3,800千円
当初予算額 3,800千円

11 募金活動

目標金額33,900千円に対し、募金金額は34,497千円と目標を上回ることができました。新がん検診センター建設募金については、23,486千円と目標を若干下回りましたが、多くの皆様のご協力を賜ることができました。

12 委託金・補助金

宮城県からの委託事業を実施したほか、国や県および公益助成機関等からの補助金を受け事業を実施しました。

委託金実績 2件 5,290千円
当初予算 2件 5,240千円
補助金実績 10件 329,950千円
当初予算 3件 800千円

◎ 代表理事(会長)・業務執行理事(所長・局長)の業務執行状況について

2023年度事業の推進にあたり、代表理事(会長)・業務執行理事(所長・局長)の決裁業務により執行いたしました。
なお、年2回理事会にて職務執行状況の報告を行いました。

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